プライマリートレンドの3つの段階

Last updated on03/11 ,2017 by Eric
ダウ理論で最大に重要とも言えるプライマリートレンドとう概念には、その中に3つのフェーズ(段階)が存在します。その段階は累積段階(Accumulation)、参加段階(Participation)、余剰段階(Excess)と呼ばれます。

それらに関して、ここでは上昇トレンドと下落トレンドに当てはめながら説明していきます。

図1
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上昇プライマリートレンドにおける3段階

フェーズ1 累積段階

上昇相場の第一ステージは、その上昇の地固めを作るため”累積段階”と呼ばれます。ちょうど投資家が参加し始める段階ともいえます。

累積段階は典型としてはちょうど下落トレンドの終盤から開始され始めます。一見、悪材料しか揃っていないように見えるときです。しかし、実際には悪いニュースによる下振れリスクをすでにマーケットの方が先行して織りこんでいる可能性が高いです。つまり累積段階は買いのチャンスなのです。

しかしながら、この累積段階の始まりを買い漁りの好機と判断するのは相当難しいです。トレンド転換の潮目はまた、下落トレンドにおけるセカンダリー段階にも見えるからです。したがってこの段階において多くの投資家は、さらに材料の悪化を想定するため、マーケットのセンチメントは悲観的です。この時点で逆張りできると大したものです。

テクニカル的観点で言うと、累積段階における中盤から後半にかけては下落トレンドがやや平坦化し始めます。なのでこの時期はいわゆる”ダブルボトム”といったものが見られやすい状況となります。

フェーズ2 参加段階

マーケットがこれ以上悪くならないとわかると、投資家は次に回復が先行すると仮定し始め、これが実現してきたときには、マーケットは累積段階から次に”参加段階”と呼ばれるものに移行します。

この段階では、収益の伸びと強い経済データによって特徴づけられたビジネス条件の改善により、否定的な感情が消滅し始めます。良いニュースがマーケットを後押しし、価格が徐々に伸びていきます。

このフェーズは、最も長続きしやすく、また最も大きく価格が伸びるときでもあります。新しい上向きのプライマリートレンドを確認されているので、ほとんどのテクニカルトレーダーやトレンドフォロワーが長いポジションをとる段階でもあります。

フェーズ3 余剰段階

参加段階が終盤に入ると、マーケットはオーバーボードな段階に移行し始めていきます。この時点ではまだ、雇用状況の改善など好景気特有の強い流れに押され、大半の投資家もまた買いを続けます。

そしてマーケットは上昇トレンドの最終段階に入ると、余剰段階と呼ばれる、”ポジションの縮小”に動きます。今のポジションが次の新しい参加者に売り払われるようになります。この時点で、市場は、いわゆる「不合理な盛り上がり」となります。良いニュースだけが独走し、まるで好材料しか揃っていないかのような錯覚を引き起こすのです。

この段階は通常、買い手の最後の市場参入が始まる時となります。すでに先行者により大きな利益が達成された後です。遅い参入者は、屠殺の子羊のように、それまでの復帰が続くことを祈っています。残念なことに彼らは、ほとんどトップで買わされる犠牲者です。

この段階では、ダウントレンドへの兆候に多くの注意を払う必要があります。また、上方向への動きが弱みを示すようになると、それは下落プライマリートレンドの始まりを示唆している可能性が高いです。

下落プライマリートレンドにおける3段階

フェーズ1 流通段階

下落トレンドの第1段階は、バイヤーが自分のポジションを売却する期間であるため、流通(配布)段階と呼ばれています。これは、バイヤーがオーバーボードな市場に売って入るという点で、買いから入る強気市場の累積段階と全く逆のパターンです。

この段階は、大多数の投資家が楽観的で、まるで好材料しか揃っていないかのように相場を眺めています。しかし実際には、好材料をすべてマーケットが先行して織り込んでいくため、上値余地はほぼ限界的になります。

ここで買う投資家は、先の参加段階で、大きなムーブメントに乗り遅れた人たちか、あるいは未来に過度な期待を寄せる楽観的な人たちです。なお累積段階のときと同様、このフェーズの初期でトレンドの大転換を予想するのは非常に困難です。その理由は、プライマリートレンドの中で、セカンダリートレンドと偽装している可能性があるからです。

テクニカル的な観点では、流通段階は売り圧力の高まりとともに、徐々に価格推移を平坦化し、レンジ相場を形成していきます。そして中盤から後半にかけて、徐々に流通段階は本格的な下向き方向に変わっていきます。

フェーズ2 参加段階

この段階は、上昇トレンドの参加段階に類似した下向き方向の強い動きとなります。マーケットのビジネス環境が悪化していることは明らかになり、マーケットのセンチメントもまた時間が経つにつれて否定的になります。そしてそれが連鎖的に買いを控えさせ、価格を引き下げていくのです。

大半のトレンドフォロワーやテクニカルトレーダーは、この時点で売りポジションをもっていくようになります。それがまたトレンドを推進する力となっていくのです。

フェーズ3 パニック段階

下降のプライマリートレンドの最終段階は、市場のパニックに満ちています。パニック段階では、企業、経済、市場全体の見通しが弱いなど、ネガティブなセンチメントを伴う市場が形成されています。

この段階では、多くの投資家がパニックで株式を売却することになります。通常、これらの参加者は、直前の株価上昇期の過剰期に市場に参入したばかりの参加者です。
しかし、このあらゆる物事が最悪に見えるこの時はまた、次のプライマリートレンドの累積段階の始まりでもあり、サイクルはこのように繰り返されていくのです。

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